土曜も日曜日も10時前に464号線を車で走っていたら新鎌ヶ谷駅9時50分着のちばレインボーバスの車両に遭遇した。バスは西白井線の車両で両日とも10名前後乗っていた。西白井線は平日だけでなく、土休日も安定的に利用する人がいるようだ。
西白井線は新鎌ヶ谷駅でも空で駅を出て行くのを見たことがない。西白井地区の住民の足として定着しているようだ。北総線を利用するより便利で安いからだろう。西白井地区から西白井駅までは徒歩では遠すぎるし、自転車だと駐輪場代がかかるが、バスなら新鎌ヶ谷駅まで1本で行ける利便性が評価されているのだろう。ただし、便数が少ない。
新鎌ヶ谷駅の定点観測で分かったことは、西白井線と鎌ヶ谷市のコミュニティバス「ききょう号」の利用が安定していることだ。ききょう号の運賃は100円で昨年11月からは土日も運行している。鎌ヶ谷市のホームページに掲載されているアンケート調査では増便に対する感謝とさらに増便して欲しいという声が多いようだ。
千葉ニュータウン中央駅方面行きのちばレインボーバスは苦戦しているようだ。新鎌ヶ谷駅を空で出て行くことが多い。いつも定刻よりかなり前から停車しているのに利用者が近づいて行く気配すらない。
これまで新鎌ヶ谷駅で下車する人は見たが、平日と土休日を通じてバス停で待っている人を見たのは1回しかない。とりわけ土休日の11時発のバスは白井駅には行かず、千葉ニュータウン中央駅(南口)まで直通となっており、新鎌ヶ谷駅で乗客がなければ回送になってしまう。
もともと土休日は運行していない、ちばにうの千葉ニュータウン中央駅(北口)直行便に対抗する形で高花地区から千葉ニュータウン中央駅経由で新鎌ヶ谷駅まで直通で行けることが売りのはずだったから目論見は外れたように思える。
しかし、この路線も事業者が本当にやる気があるのか疑問だ。なぜなら、土休日のみ運行で日中4便しかない上に最終の千葉ニュータウン中央駅(南口)直通便が15時28分だからだ。高花から乗って11時前に新鎌ヶ谷駅に着いたとしてもそこから目的地で用事を済ませて最終便に乗って高花に帰るのは相当に厳しいように思う。帰りは北総線をご利用くださいということだろうか。
新鎌ヶ谷駅が最終目的地のバス利用者はほとんどいないと思う。その根拠はナッシー号や西白井線の利用者のほとんどの人がバスを降りるとまっすぐ東武野田線か新京成線の改札の方に歩いて行ってしまうからだ。鉄道への乗り換えを前提にバスを利用していることは明らかだ。
ちばにうのバス停は線路の反対側で駅から離れていてちばレインボーバスより不利にもかかわらず、空で出て行くのを定点観測を始めてから見たことがなかったように思う。この差はICカードが使えるとか、バス停から近いという目先の利便性に利用者は必ずしも惹かれていないということだと思う。
利用者が最も望んでいるのは低廉な運賃で乗換え負担の少ない方法で目的地に行くことだろうと思う。一番望ましいのは誰もが自宅に近いバス停から1本で目的地に行けることだろう。しかし、これを実現することは採算面から不可能だろう。
不特定多数のニーズを満たす方法は主要な交通結節点にだけバス停を設置してバスとして可能な速達性を確保する以外ないように思う。そして、自宅から結節点までは既存の路線バスやコミュニティバスを利用してもらうしかないと思う。