新鎌ヶ谷駅のバス停の定点観測を始めてから4か月近く経った。京成グループのちばレインボーバスが運行する北総循環線(白井駅停車)は何のためにやっているのだろうかという疑問を拭えなかったが、今ではその目的について確信を持っている。
今日は東武野田線の改札に向かう途中で空でロータリーから逃げるように出て行く9時23分始発の北総循環線(白井駅停車)を目撃した。15分以上客待ちをして空気を乗せて出て行くバスの運転手さんはどんな気持ちだろうか。
毎回毎回、空かせいぜい一人か二人の客しか乗らないバスの運行に運転手さんも疑問を感じているのではないだろうか。客を増やしたいなら運賃をちばにう並みに下げて土日も運行したらどうなのだろうか。
もはや、ちばにうより駅からバス停が近いとか、PASMOやSuicaが利用できるという優位性は集客に結びつかないことはこの1年で検証されたはずだ。定時制の確保(始発)も効果がないようだ。にもかかわらず、低採算の路線を維持している理由はバス停の場所取り以外にないように思う。
北総線の高額運賃への影響を排除するのが目的なのは明らかだろう。正直、鉄道と並行するバスの運行による北総線への影響は、鉄道の定時制、輸送力、速達性の優位性から限定的なものに過ぎない。北総線は都心への通勤定期客がメインであり、多忙な彼らが速達性で劣る路線バスを積極的に利用することは考えられない。
それなのに京成が他社のバス路線の妨害をしてまでどん欲に独占的利益を追求するのは裏を返せば余程、北総線の高額運賃の維持が京成にとって経営戦略上、重要だということだろう。
しかし、非正規雇用の人や定年退職者もしくは再雇用で働く人々にとっては速達性よりも運賃の問題は切実だ。京成の利益追求にお付き合いする余裕はない。通勤定期利用者は会社が定期代を負担してくれているのでその負担の大きさを身近に感じていないが、状況が変わった時にはその負担を切実に感じることになるはずだ。
少子高齢化が進んでいく中で白井市の今後の街づくりにとって公共交通機関をどうするかということを市民一人一人が真剣に考えるときに来ている。固定資産税が下がっていることを喜んでいられない。