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小雨のバス停

 9時50分過ぎに464号線で前を走っていた新鎌ヶ谷駅に向かうちばにうの北環状線の車両を追い抜いた。乗客はざっと12名。北環状線開業以前は千葉ニュータウン中央駅⇔新鎌ヶ谷駅直行便のこの時間帯の乗客は多くて数名、回送のことも珍しくなかったので北環状線の運行で利用者が増えているようだ。

 

 本日の11時08分のナッシー号の乗客は14名だった。11時30分始発のちばレインボーバスの北総循環線の乗客は1名だった。北環状線の利用者が増えているのに対抗する北総循環線のテコ入れを京成はする気がないようだ。

 

 ちばにうに比べてバス停が駅に近く、ICカードが使えるというメリットは利用者には響かないようだ。やはり、利用者には運賃の方が大切だということだろう。

 

 新鎌ヶ谷駅から白井駅北口までの運賃はちばにうが200円、ちばレインボーバスが250円。おそらく、ちばレインボーバスも運賃を200円に引き下げれば利用者が増えることだろう。しかし、運賃で対抗したくないというのが京成の本音だろうと思う。

 

 北総線の同じ区間の運賃は370円だが、割引回数券(昼間割引回数券・土休日割引回数券)を利用すれば33%引き(約247円)で乗れる。制約のある割引回数券を利用する理由のある人なら日中でも電車は1時間に3本以上の便があるので速達性、定時性を考えれば運賃も変わらない電車の方が便利だ。

 

 要は、通勤・通学以外でもバスより北総線を利用しろというのが京成や市の方針だ。割引回数券はもともと収益の柱である通勤・通学利用者が利用しない時間帯の収益対策で作られた企画乗車券だから北総線の高額運賃政策と矛盾しない。だからバスの250円という運賃は割引回数券の金額を下回らない金額という設定なのだろう。

 

 ちばレインボーバスが採算の取れない北総循環線の運行を続ける理由は新鎌ヶ谷駅前の場所取りなのだろうか。京成以外の事業者の新鎌ヶ谷駅への乗入れを排除することが目的としか思えない。

 

 京成はバス路線を北総線の最寄り駅までの接続用としか考えていないことは明らかだと思う。そして、千葉ニュータウン内の電車もバスも京成グループの独占を維持することが京成の生命線なのだろう。

 

 沿線住民の利便性より自社の利益が最優先としか思えない。共存共栄するための街づくりなどということには京成は興味がないことだろう。だから、京成線の沿線はどこも寂れつつあるように思う。