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曇天の冬のバス停~高花線と北総循環線のこと

 曇天のバス停

 

 10時40分頃ちばレインボーバスの北総循環線のバス停に到着したばかりの車両からビジネスマンらしいコートを着た男性が一人降り立った。

 

 しばらくして子どもを連れた若い夫婦がバスに近づいて夫らしき男性が運転席側の窓を叩いている姿が見えた。扉が閉まっていたので運転席側に回って行先を確認しているように見えた。11時ちょうどにバスが出ていくときに後部座席に座っていたのがこの3人家族なのかもしれない。

 

 私は普段、このバスのことをCNT直行便と書いているが、目撃したバスは正確には高花線というのが正式名称だ。北総循環線はこの高花線の後から開業している。だから北総循環線のバス停という記述は間違っているかもしれないが、高花⇔新鎌ヶ谷便は土休日に上下それぞれ4本しか運行していない。

 

 高花線は千葉ニュータウン中央駅と高花団地間を循環するバス路線だが、ちばにうの運行事業者と支援者が高花から新鎌ヶ谷駅までのバス路線の開業を計画していたため、対抗策として京成が土休日だけ新鎌ヶ谷駅までの便を設定したものだ。

 

 🔗土曜日の高花線の時刻表  🔗休日の高花線の時刻表

 

 高花線は平日の朝夕の通勤・通学時間帯には5~6本の便数があり、沿線の人の足となっているようだ。京成にとって北総線とつなぐ支線として機能しているということだろう。だから北総線を利用しない中抜きのようなちばにうのバス路線は京成には迷惑なのだろう。

 

 🔗平日の高花線

 

 しかし、高花から新鎌ヶ谷までの直行便は土休日に上下8本しかなく、利用者からすれば魅力のない路線だ。京成にとってはそれでいいのだろう。従来通り千葉ニュータウン中央駅から北総線を利用して欲しいというのが本心なのは明らかだ。

 

 仕方なく新鎌ヶ谷駅までの直通便を始めたから採算はどうでもいいのだろう。通常の千葉ニュータウン中央駅までの循環線の利益で埋め合わせる作戦だったのだろうか。しかし、京成は成田空港線の開業のときには内部補助は望ましくないから北総線の運賃は下げられないという主張だった。北総線の運賃を下げれば京成本線の運賃を上げなければならなくなると言っていたはずだ。

 

 そして、ちばにうの白井駅を通る北環状線の運行に対抗するために開業したのが北総循環線だ。これまでの北総循環線の運行状況を見ていると完全な不採算路線なのは明らかだから内部補助はさらに拡大していることだろう。

 

 これに対する止血対策が白井のコミュニティバスの新鎌ヶ谷駅への直通便の減便だったようだ。直通便を減らしたが、運行本数は減っていないので新鎌ヶ谷駅までの便が減ることで利用者が減り、運賃収入が減少したとしても減収分は市からの補助で京成は損をしない計算なのだろうか。あるいは新鎌ヶ谷までのコミュニティバス便が利用できなくなった市民に北総線を利用させることで穴埋めしようと考えたのかもしれない。市の民間にできることは民間でという説明はうそそのものだ。

 

 最近は国も自治体も公平公正より為政者の選挙対策のための事業者優遇対策が優先されているように思う。一番、悪いのは自分の生活のことだけしか考えない国民や市民なのかもしれない。理不尽なことにおかしいという一票を投じよう!

 

 京成が不採算路線から撤退できない一番の理由はバス停にあるように思う。アクロスモール側のバス停はコミュニティバスのバス停、西白井線のバス停、そして北総循環線・高花線のバス停の3つとも京成グループのバス停だ。もし、北総循環線・高花線のバス停を廃止すれば、駅から遠いイオン側のバス停を使っているちばにうが跡地?を利用することになるのは目に見えている。不便なちばにうが便利になることを京成は望まないだろう。