昨日は春のような温かさでくすりの福太郎前の植込みをぐるっと周回しているベンチのロータリー側の席に大勢の人が腰を下ろしていた。正月明け最初の週末ということもあるのだろうが、ロータリーの中にはたくさんの送迎の車が待機していた。
バス停の停車区画に入り込んで駐車している車もあれば、ロータリーの奥の方で車を止めて駅の方に待っていた孫らしき子供を連れた家族を発見し、しきりに手を振って合図する年配の男性の姿もあった。
そうかと思えば、ロータリーの中に車を止めたまま車から離れて行く小さな子供連れの家族もある。交差点で二方向に分かれ、大胆にも旦那らしき男性はケンタッキー・フライド・チキンの店に吸い込まれ、子どもと奥さんらしき女性はアクロスモールの方向に歩いて行った。
駐禁の取り締まりのリスクを考えないのだろうか。余計なお世話かとも思うが、アクロスモールかイオンの駐車場に止めれば3時間無料なのに駐禁切符を切られたらその高い代償に後悔することになるだろう。
ロータリーの中央のタクシープールも満車に近かった。パトカーの文字が地面に書かれた区画もその文字がタクシーで隠れてしまっていた。
ロータリー周辺をそんな風に眺めていたら、ちょっと気になる光景に目が留まった。西白井線のバス停辺りに行列ができており、バス停の屋根より後ろのコミュニティバスのバス停寄りにちばレインボーバスの車両が止まっていた。行列ができているのにバスが利用者を乗せようとする気配が一向にない。
待っている客が時計を気にしているのが、遠目にも分かる。ひょっとして車両故障で代替車両の到着でも待っているのだろうか。あるいは運転手さんの姿が見えなかったので運転手さんが体調でも崩したのだろうか。そんな風にいろいろ考えていたところに旅館やお店が送迎に使っているような小型のバスが到着し、待っていた利用者が乗り込んだ。
何やら点呼でもしていたのか少し間があったが、前方のバス停をはみ出すように後方寄りに停車しているちばレインボーバスの車両を避けるために一旦、コミュニティバスのバス停までバックしてから出発した。私は代替輸送のための手続きでもしていたのだろうか思っていた。ロータリーの出口の交差点で信号待ちしているときに車体に書かれた文字が見えた。私には「白井メモリーズ」と読めた。しかし、これは間違いだったようだ。
ちょっと目を離した隙にちばレインボーバスの車両は北総循環線のバス停に移動していた。最初にバスに気が付いたのが10時45分頃で11時近くまで西白井線のバス停後方に止まっていたことになる。止まっていたバスはちばレインボーバスのCNT直行高花行きのバスだったのだ。
なぜ、専用のバス停に止めないで西白井線のバス停付近に止めたままだったのだろうか。普段、ちばレインボーのバスは乗客を乗せて駅に入って来るとコミュニティバスのバス停と西白井線のバス停の間か西白井線のバス停で乗客を降ろしてすぐに専用バス停に向かう。
私がちばレインボーバスの車両に気が付いたとき、高花行きのバス停は空だったのでどうしたのだろうかという思いを抱いていた。しかし、西白井線のバス停の後方に止まっていた車両は西白井線のバスだとばかり私は思っていた。だから、止まり方に違和感を覚えたのだ。CNT直行バスは11時ジャストに、つまり定刻に専用バス停から空で出て行った。
ところでナッシー号は超満員だった。11時08分のバスは大幅に遅れて16分過ぎにバス停に着いた。26人が下車して病院に向かうバスには1人残っていたから27人が乗車していたことになる。ナッシー号の新鎌ヶ谷駅直通便の減便の代替路線となるはずだった北総循環線はいつも精々2~3人だから役所の説明の根拠のなさが証明されている。
家に帰ってから西白井線のバスの時刻表を確認してみたら土曜日は10時00分から12時17分まで2時間以上バスがない空白時間帯になっていた。どうして高花行きのバスが西白井線のバス停の中ではなく、後ろのコミュニティバスのバス停の方にはみ出すように停車していたのだろうかという疑問は解けなかった。
代替バスだと勝手に思っていたバスの車体に書かれていた「白井メモリーズ」という文字をグーグルで検索してみたが、該当する情報は見当たらなかった。やはり、私の見間違いだったようだ。しかし、名前からして霊園関係だろうと想像し、「白井メモリアルパーク」に行き着いた。いろんな事業者が白井メモリアルパークの案内をネットに出していて「月1回とお彼岸・お盆に新鎌ヶ谷駅から送迎バスを運行しています。」という情報を見つけた。
しかし、バスの運行事業者も時刻表もネットで発見できなかった。霊園の管理事務所に直接聞いてみようかとも考えながら検索を続けていてとうとう松戸市六高台のお寺のブログに辿り着き、「平成28年度 白井メモリアルパークバス時刻表」を見つけることができた
そこには「バスを予約されます時は信隆寺まで電話連絡ください。当日、バスに遅れそうな時も信隆寺までご連絡くださいね。」と書かれており、各事業者が受け付けた予約をどこかが集約するしくみになっているらしかった。だから、ネットでなかなか発見できなかったのだろう。
西白井線のバス停付近で待っていた人たちは霊園の見学会の参加者だったのだ。時刻表は3年前のものだが、毎年のスケジュールは同じようだ。3年前の1月5日(火)も出発時間は11:00となっており、曜日以外昨日とまったく同じだ。
1ヵ月前から予約を受け付けており、毎回、新鎌ヶ谷駅11:00、席数は25席と決まっている。おそらく各事業者に割り当てられた人数があり、バスの運行費用を分担するようになっているのではないだろうか。
ここまで調べて私はあることを思い出した。それはあるスポーツクラブがツアーを企画して千葉のどこかの駅をバスの集合場所にしたところ、京成からスポーツクラブにクレームが入ったというものだ。その駅のテリトリーは京成だから京成グループ以外のバスを駅のロータリーの中に止めるのは困るという内容だった。その話を聞いて私は呆れてしまった。
新鎌ヶ谷駅でも同じことが繰り返されているようだ。新鎌ヶ谷駅前のロータリー内で乗合バス以外のバスが停車できるスペースはコミュニティバスのバス停と西白井線のバス停の間しかない。その狭い区間を西白井線のバス停から後ろ寄りに下がってコミュニティバスのバス停寄りにバスを止める目的は一つしかない。停車妨害しか考えられない。
そして悪質なのは停車していた高花行きのバスは定刻の直前まで西白井線のバス停後方を占拠して霊園の送迎バスが出て行った直後に専用バス停に移動して数分後にバス停を出発していることだ。おそらく、他社の参入をどんなことをしてでも排除してテリトリーを守るようトップから指示が出ているのだろう。上場企業のガバナンスやコンプライアンスはやはり能書きに過ぎないようだ。
京成に共存共栄という選択肢はないのだろう。競争相手だけでなく、自分たちのテリトリーに入って来るものは容赦なく、排除する企業なのだろう。地域との共存共栄ということも言葉だけで利益と配当だけが経営の目標なのだろう。鉄道やバスには多額の税金がつぎ込まれているが、事業から上げた利益を社会に還元する気はさらさらないから北総線の運賃も追い込まれない限り、値下げにはつながらないだろう。
まるで、領海侵犯の取り締まりのようだ。そもそも駅のロータリーの占有権を一民間企業に与えた事実はないはずだ。ウイキペディアには領海侵犯について以下のように書かれている。
国連海洋法条約で「無害通航権」は認められており、ロータリーでも「無害交通権」は公共の利益に適うものだと私は思う。ロータリーは税金で整備されており、地域の利便性のために広く平等に利用が認められるべきだと思う。ロータリー内での乗合バスとタクシー以外の駐停車を法令通り禁止すべきだというなら、乗合バスとタクシー以外の一切の駐停車を法律通りに全面禁止にすればいい。ただし、市民や企業からのクレームに耐えられる覚悟が求められる。
過日、ちばレインボーバスのバス停を京成グループの観光バスが乗降場所として利用しているのを目撃し、このブログにも取り上げている。そもそも、法令に違反してバス停以外で毎回のように乗客を降ろしている事業者に法令順守を主張する権利があるのだろうか。
今回の妨害行為自体がその法令違反を犯していることについて何と反論するのだろうか?