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屋根がない

 バス停には雨がしとしとと降っていた。やっぱり、屋根がほしい。暑い時期は過ぎたが、雨の日は屋根があれば…

 

 コミュニティバスのバス停の後方の東武線の駅舎のシャッターの前に傘をささずに手にした6人の高齢者が11時前から雨宿りをしていた。駅舎の庇が雨避けとなり、建物からくぼんでいるシャッター前は傘がいらないようだ。

 

 11時30分頃、鎌ケ谷観光が運行している11時26分と思われる西線のききょう号と京成が運行している11時23分と思われる東線のききょう号の2台がロータリーに入って来て西線のバスが先にバス停で利用者を降ろしていた。

 

 東線のバスは後ろの福祉車輛専用乗降場の前にセンターラインを越えて止まり、道路で利用者を降ろしていた。西線のバスがバス停から出て行くのを待ってから降ろすのがルールではないだろうか。

 

 1月まで福祉車輛専用乗降場の場所はコミュニティバスのバス停でもあった。しかし、道路で乗降する利用者がいることを理由に2月からコミュニティバスのバス停が10m先に移動された。こうした経緯を考えるとコミュニティバスは理由のいかんにかかわらず、道路で利用者を降ろすことは問題があるはずだ。しかも、降ろした場所が以前のコミュニティバスのバス停前だから説明がつかない。

 

 しかし、行政が虚偽の説明をしたということなら合点がいく。そうでなければ市は事業者を厳しく指導するのが筋のように思う。バス停の移動の目的が達成されていないばかりか、コミュニティバスの利用者は屋根のないバス停に困っている。誰が得をしたのだろうか。

 

 ちょっと前に駅から出て行った秋元病院のバスも道路で利用者の乗降をさせていた。一番得をしたのは秋元病院かもしれない。コミュニティバスと共同利用だった屋根付きの福祉車輛専用乗降場だが、福祉車輛が使っているのを目撃したのは1回か2回しかない。

 

 休日を除くほぼ毎日、秋元病院のバスが屋根付きのバス停として駅から最も近い場所を占有利用している。柱には時刻表が貼られ、時間調整で待機していることもある。こういうのを漁夫の利というのかもしれない。あるいは、庇を貸して母屋を取られるということわざもある。

 

 東武線の庇の下で雨宿りをしていた利用者はバスの到着時刻が近づき、バス停に移動して傘をさして並んでいた。「傘がない」という井上陽水の曲の中に「だけど今日の問題は雨 傘がない」というフレーズがあるが、市民は「だけど今日の問題は雨 屋根がない」と声を上げるべきだろう。

 

 テレビでは我が国の将来の問題を

 誰かが深刻な顔をしてしゃべってる

 だけど問題は今日の雨 傘がない

 

 11時10分頃、11時08のナッシー号がめずらしく少し遅れて到着した。雨のせいか、利用者は10人といつもより少ない。

 

 ナッシー号は毎回、ほぼ定時に到着するが、10時32分の鎌ケ谷線(北総循環線と同じバス停を利用)のバスは利用者が乗っていないのに毎回、遅れる。今日も遅れて10時37分に到着した。

 

 鎌ヶ谷市役所始発で次のバス停が新鎌ヶ谷駅なのになぜ毎回遅れるのだろうか。しかも、利用者が乗っているところを今日まで見たことがない。ロータリーを1周して出て行く。バス停に停車しない日もある。今日は無人のバス停に20秒停車して駅から去って行った。験でも担いでいるのだろうか。不思議な路線だ。誰も降りない、誰も乗らないバス停は誰のためなのだろうか。

 

 11時17分頃、北総循環線のバスがロータリーに入って来て利用者が並んでいるコミュニティバスのバス停の区画に半分入り込んで停車し、乗客を降ろしていた。専用バス停に移動して停車した位置はセンターラインぎりぎりだったから、歩道からバスに乗ることは無理だ。高齢のドライバーが前扉から降りてバスから離れて行った。トイレ休憩のようだった。高齢の女性が1人乗車する姿を見たが、バスが駅から出て行くところを今日は見ていない。

 

 タクシー乗り場に待機するタクシーは少なかったが、2台目のタクシーが区画線から後ろに半分近くはみ出してふてぶてしく止まっているのが印象的だった。3台目の車両がそのあおりを受けて後ろのタクシー専用降車場の区画の中に半分近く入り込んで止まっているのを何度か目撃した。国も自治体も企業もコンプライアンスは口先だけのようだ。