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おもてなしのこころ

 10時半を過ぎた頃に居酒屋の納品トラックがやって来ていつもの場所に停車した。ロータリーの入り口の駐車禁止の標識が付いている信号機の先で止まり、タクシー専用降車場の区画線の後ろの線までバックして停車位置を調整していた。

 

 荷下ろしと台車での納品は15分位で終了してドライバーは車に乗り込んだが、すぐに移動せず、トラックはさらに15分ほど停車していた。時間調整の待機か、納品後の作業日報でも作成しているのだろうか。

 

 トラックは長いときは45分くらい、おなじ場所を占有していることがある。待機するならせめてロータリーのアクロスモール側の一般車両の停車エリアに移動するくらいの配慮がほしい。ロータリーの入り口は他の車両の通行妨害になるだけでなく、客を乗せてやって来たタクシーがタクシーの降車場を利用できない。

 

 今日もトラックが待機しているときに客を乗せて来たタクシーが前のタクシーと納品トラックに挟まれた降車場の区画の中に入れずに区画線の横の道路でハザードランプを付けて客を降ろしていた。タクシーがトラックのせいで他の車両の通行妨害になっている。

 

 さらにトラックの後ろに原付のバイクが停車し、乗っていた白髪頭の高齢の男性が駅から戻って来るまで30分くらい原付が放置されていた。

 

 トラックも原付もいなくなり、タクシー乗り場にも待機しているタクシーがいないときにロータリーに入って来たタクシーは降車場の後ろで客を降ろしていた。客を降ろすとすぐ駅から出て行ったのでメンバーの事業者のタクシーではないのだろうが、おそらく、タクシーの文字が書かれた区画が降車場だと知らないのだろう。

 

 しばらくして客を乗せて入って来たタクシーはきちんと降車場の区画の中に止まって客を降ろし、タクシーが待機していないタクシー乗り場で待っていた客を拾って駅から出て行った。正直、降車場の中で客を降ろしているタクシーを見る方がまれだ。

 

 11時14分頃、ナッシー号がバス停に到着した。今日の利用者は13人だった。

 

 11時17分頃、北総循環線のバスがロータリーに入って来たが、今日はコミュニティバスや西白井線のバス停付近で停車しなかった。しかし、停車したのは専用バス停の区画の手前だったのでびっくりしてしまった。

 

 バスから最初に降りてきた高齢の女性は、降りるとバス停の標識のところに直行した。帰りのバスを時刻表で確認していたのだろう。全部で6人が下車して3人が駅の方に歩いて行った。ひょっととすると時刻表を確認したい女性と駅に向かう利用者の希望を忖度して西白井線のバス停と専用バス停の中間にバスを止めたのだろうか?

 

 これは北総循環線のドライバーが実践するおもてなしのこころなのだろうか。まるでハイヤーのようなサービスだ。高齢者の足を労り、駅に向かう人への心配りも忘れなかったということだろうか。しかし、残念なのは停車した位置は道路側の区画線近くだったので歩道からバスのステップまでは1mくらいあり、道路に降りずに老人がバスに乗るのは難しい。

 

 11時30分に駅から出て行くバスの中に利用者は確認できなかったが、バスに乗車する高齢の女性の姿を見たような気がする。