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バスの利用者が車道で乗降する問題の本質

 1042分頃、高花線のバスがロータリーに入って来た。昨日と同じように専用バス停の手前の西白井線のバス停で乗客を降ろすのだろうと眺めていた。

 

 しかし、予想は裏切られた。バスは西白井線のバス停の先に止まっていた軽自動車を避けるように大回りして専用バス停に直行した。しかも、歩道に正着するように停車した。昨日はバス停の車道側の区画線近くに停車していたが、今日は車道側の区画線から80㎝くらい離れて停車していた。これなら利用者は車道に降りることなく、楽に乗降できるだろう。

 

 コミュニティバスの利用者が車道で乗降することがあるので安全性の観点からバス停を移動したことになっている。自治体は車道での利用者の乗降の原因が利用者側にあるような説明をしている。しかし、利用者が歩道で降りるか、車道で降りるかを選択することはできない。

 

 問題の本質はバス停の構造、そしてドライバーのモラルと運転技術にある。新鎌ヶ谷駅のバス停の構造はストレート型(道路の全幅員に余裕がなく歩道に切り込みを入れて停車帯を設けることができない場合等に歩道の幅員を変えることなく、歩道内に停留所を設けるもの)に当たる。ストレート型は「後続車に影響を与える、駐車車両などが停車している場合に停留所への正着が難しくなるといった問題がある。」ことが指摘され、研究者によって正着しやすいバス停の研究が行われている。

 

 コミュニティバスのバス停の移動後も車道での乗降は改善されていない。コミュニティバスに限らず、路線バスや病院の送迎バスでも利用者の車道での乗降が新鎌ヶ谷駅のロータリーで毎日、繰り返されている。

 

バス停の構造だけでなく、バス停で利用者を降ろしている先着のバスがバス停を離れる前に後続のコミュニティバスが車道で利用者を降ろしているのを何回も見かけている。

 

ドライバーの運転の技量次第で停車する場所も大きく異なる。たまにしかナッシー号を利用していない私でもバス停に正着せず、歩道までの距離があるために車道に降りることを何度か余儀なくされている。

 

残念ながら年齢に関係なく、運転が下手なのか、気性が荒いのか乱暴な運転をするドライバーにときどき遭遇する。満席で立っていたときに急ブレーキを踏まれてつんのめったこともある。

 

 コミュニティバスのバス停については国土交通省のガイドラインで地域公共交通会議での協議が前提とされているにもかかわらず、コミュニティバスのバス停の移動について地域公共交通会議に諮られていない。上屋のない場所にバス停を移動することの是非について市民の意見を聞くこともなく、市と事業者だけで事が進められている。

 

 上屋のないバス停で太陽にさらされる高齢者の熱中症の問題、風雨の問題について何の対策も取らずにバス停の移動工事が行われている。

 

 バス停の移動後、コミュニティバスと西白井線のバス停の区画線が一体化され、何の関係もない北総循環線と高花線のバスが降車場として利用していたので6月に専用バス停以外での降車(道路運送法違反)について事業者を指導するよう運輸局に要望書を出している。

 

 事業者は事実を認め、運輸局は事業者に対して業務改善の指導したと説明したが、改善が見られないため、11月に前回同様、詳細な法令違反のメモを作成して事業者に対する行政指導を運輸局に再度、要望した。

 

 その結果、12月は法令違反が減少したが、依然、何件かの法令違反を目撃している。バスを利用している方は、バス停以外で乗客を降ろす等の法令違反を目撃したら是非、千葉運輸局に通報して欲しい。

 

 🔗道路の移動円滑化整備ガイドライン:第2部第4章乗合自動車停留所~高齢者、身体障害者等がバスを円滑に利用できるようにするため、乗合自動車停留所においては、高齢者・身体障害者等が低床バス等に円滑に乗降できるような歩道等の高さとするとともに、バスが停留所に正着できるようバス停の構造に配慮する…乗合自動車停留所の構造には、以下のような形式がある。①バスベイ型 テラス型 ストレート型(仮称)それぞれの形式の特徴を整理する。…③ストレート型 この形式は、道路の全幅員に余裕がなく歩道に切り込みを入れて停車帯を設けることができない場合等に歩道の幅員を変えることなく、歩道内に停留所を設けるものである。後続車に影響を与える、駐車車両などが停車している場合に停留所への正着が難しくなるといった問題がある。

  

 🔗バスをギリギリまで寄せられる縁石、ブリヂストンなどが開発 岡山で運用開始~路線バスやBRT(バス高速輸送システム)といったバス輸送では、乗降時のバリアフリー化が大きな課題の一つ。高齢者や車いす利用者、ベビーカー利用者が、安心してスムーズに乗降できるよう、バスと停留所の間の隙間を可能な限り小さくする、正着性が求められている。今回実用化した縁石は、ブリヂストンと日本交通計画協会の知見を融合させた、大型・小型のバスがともに正着性向上を達成できる汎用性の高い形状となっている。これにより、「バスを安定的に縁石に寄せる」、「タイヤと縁石の接触時の影響を緩和する」というバリアレス縁石実用化に向けた課題を解決し、岡山市が取り組んでいる「バス利用者の安全確保と利便性向上」に貢献する。