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北環状線を目撃

 12時17分頃、464号線で新鎌ヶ谷駅に向かうちばにうの北環状線を目撃した。老若男女10人以上が乗っていた。1週間前に同じ464号線でちばレインボーの北総循環線を目撃したのは12時50分前後だったが、その時の乗客は男性1人だった。

 

 北総循環線は白井駅しか停車しないが、ちばにうの北環状線は白井駅と西白井駅に停車する。千葉ニュータウン中央駅から乗る人は運賃が同じなら新鎌ヶ谷駅までの乗車時間の短いバスを利用するだろう。新鎌ヶ谷駅まで北環状線は46分、北総循環線は35分だ。

 

 しかし、土休日は千葉ニュータウン中央駅⇔新鎌ヶ谷駅間のちばレインボーバスは北総循環線が1本、高花線が3本しかない。一方のちばにうの運行本数は13本。

 

 昨年の値上げより千葉ニュータウン中央駅⇔新鎌ヶ谷駅間の運賃はちばにうの方が30円高くなり、白井駅⇔新鎌ヶ谷駅間の運賃も30円差に縮まっている。しかし、新鎌ヶ谷駅への直通がなくなったコミュニティバスの乗降客が最も多い単独乗り入れの西白井駅の運賃は150円に据え置かれている。

 

 運行本数と運賃、そして西白井駅の乗り入れを考慮するとおそらく、白井市民は北環状線を利用していると思われる。千葉ニュータウン中央駅のバス利用者も土休日はちばレインボーバスの運行していない時間帯は北環状線を利用する可能性が高いように思う。

 

 8月の新鎌ヶ谷駅行きのコミュニティバスの廃止を含むルート改正(増便)でちばレインボーは運行経費が増額になり、ちばにうは西白井駅での代替需要の恩恵を受けているのだろうか。一方、新鎌ヶ谷駅へのアクセスルートの減少によって市民の交通利便性が低下したことは紛れもない事実だ。いずれにせよ、民間にできることは民間でという市のキャッチフレーズがうそだったことは明白だ。

 

 路線バスは「自立運営を原則とする」ことになっており、自立運営できない路線を補完するのがコミュニティバスだ。路線バス事業者は採算の悪化した路線から現在は、簡単に撤退できる。コミュニティバスが先に運行していた区間を民間の路線バスに開放したけれど赤字で事業者が苦しいから補助するという理屈は通らない。

 

 ちばにうのバスは白井駅や西白井駅から乗車する市民には代替交通になっているかもしれないが、本数が1時間に1本程度しかなく、近くのバス停から乗れなくなった高齢の市民には交通利便性の低下を招いている。コミュニティバスで駅まで行って乗り換えると片道運賃だけで以前の倍の300円になってしまう。

 

 もし、コミュニティバスに乗って西白井駅から北総線に乗り換えたら、新鎌ヶ谷駅(1駅)まで459円(150円+309円)もかかる。往復918円。コミュニティバスを利用していた市民の交通費の負担は3倍になってしまう。マイカーを利用している人はますます車が手放せない。

 

 8月のコミュニティバスのルート改正で市は乗り換えの発生について「他ルート又は他交通機関でカバー」と表現し、コミュニティバス全体の速達性が向上すると説明している。

 

 元々運行本数が少ないのに1部区間だけ便数を増やしたところで速達性が向上するはずもない。そもそも「交通弱者や交通空白地域の救済が目的で乗降者数第一ではない」というルート改正と速達性がどういう文脈でつながるのかさっぱりわからない。速達性の向上をと言うなら利用者の少ない交通空白地域のバス停を減らすか、ルート自体をカットするべきだろう。説明のための説明にすぎないのだろう。

 

 利用者減を前提にしての1.5倍の増便と運行経費の増額など本来、あり得ない。交通弱者や交通空白地域の救済のためというからにはルート改正後の効果を検証して市民に示してもらう義務が市にはある。交通弱者がどれくらい減り、交通空白地域の利用者がどれくらい利用したのか明確な数字で示してほしい。

 

 そもそも今回の改正に伴う運行経費の内容と金額を市民に示すべきだ。なぜ、議員はだれもこうした情報を市民に発信しないのだろうか。情報公開に後ろ向きな議員は次回の選挙で落選させるべき。