私は今日まで「白井駅・西白井駅周辺地域の活性化に関する協定」が白井市と北総鉄道との間に締結されていたことを知らなかった。
🔗白井駅・西白井駅の駅周辺地域の活性化プロジェクトがスタートします。
都心から戻って来てホームに新しいガラス張りの待合室が設置されているのに気がついた。そして、改札の外にセブン銀行のATMがいつからか設置されていたことは知っていたが、自販機が改札の内側と外側に各4台も設置されていることに初めて気がついた。
改札の外には他にも証明書写真機とクロネコの宅急便ロッカー「PUDO」まで設置されていた。北総線は必要があるときにたまに乗る程度だったのでうかつにもこうした駅構内の変化に気がつかなかった。
上記プロジェクトは「駅と駅周辺地域のにぎわいづくりの実現に向けて、両者で協働した駅周辺地域の活性化のプロジェクト」だそうで新しくできた待合室もプロジェクトの一環だという。
北総鉄道のホームページには「まず、白井駅・西白井駅を白井市の都市拠点のシンボルとするべく、両駅に副駅名称を設定し、駅名看板を副駅名称に合わせたデザインとするほか、都市拠点に相応しい居心地の良い空間を創出するため、千葉県内産の木材を使用したベンチを配し、駅名看板のデザインに合わせた装飾をした待合室など駅施設の整備を行います。」と告知されている。
西白井駅の副駅名は「梨も騎手も育つ街」であることは公報で知っていたが、駅名を考えた方を批判するつもりはないが、西白井駅を利用する市民でJRA競馬学校を地域のシンボルと認識している人はほとんどいないのではないだろうか。
🔗北総鉄道 白井駅・西白井駅に副駅名「ときめき梨の里」「梨も騎手も育つ街」
JRA競馬学校は西白井駅から2㎞以上あり、徒歩圏とは言えない。駅からの道が整備されているわけでもない。JRA競馬学校のHPのアクセス案内には『北総鉄道「西白井駅」下車→タクシー(約10分)』と記載されている。
これから地域の名所として宣伝するつもりなのだろうか。私は30年近く住んでいて騎手を見かけたことは一度もない。高額運賃の北総線に乗ってわざわざ競馬学校を見学するためにやって来る人がいるとは到底思えない。
来年10月からの北総線の値下げは通学定期の京成線並みの値下げ以外に目玉はなく、北総鉄道の運賃が高すぎて地域間の往来が制限されている状況は何も変わらないだろう。鉄道は高い、路線バスも不便、交通利便性はコミュニティバス「ナッシー号」の新鎌ヶ谷駅への乗り入れ廃止で以前より悪化してしまっている。とりわけ、ナッシー号のルート改正で西白井駅周辺に住む高齢者の交通アクセスは改悪といっていいレベルまで悪くなっている。
鉄道、路線バス、コミュニティバスはすべて京成グループで運行している。ちばにうのバスは千葉ニュータウン中央駅地区の人々の利便性のために市内の一部に停車しているにすぎないので当てにできない。
こうした状況を作っておいて駅に副駅名をつけたり、ホームに待合室を新設しても「駅と駅周辺地域のにぎわいづくり」や「(市と北総鉄道で)協働した駅周辺地域の活性化」につながるはずもなく、キャチコピーだけの施策が空虚に感じられる。市のいつもの作文にすぎない。