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国道464号線で北総循環線とすれ違う~北総線の中距離帯の値下げ幅が大きい理由を考えてみた!

 12時36分頃、国道464号線で京成が運行する新鎌ヶ谷行きの北総循環線と久々にすれ違った。乗客は2人だけだった。ナッシー号の新鎌ヶ谷駅行き便が廃止された後も乗客はあまり増えていないようだ。

 

 乗っていた乗客はどこのバス停から乗ったのだろうか。白井駅のバス停だろうか、それとも千葉ニュータウン中央地区のバス停だろうか。いずれにしてもこの路線にはニーズがないということだろう。この路線を廃止してもちばにうのバスか北総線で代替可能だからおそらく困る人はいない。

 

 ちばにうの北環状線は白井駅から新鎌ヶ谷駅までの運賃が220円だ。(なぜか10月の北総線値下げ後は、割引回数券を利用すると北総線の運賃も同額になる。)一方、北総循環線は250円(北総線を割引回数券を利用した現行運賃と変わらない。)で価格負けしている。やる気がまったく感じられないのは白井駅では北総線の方を利用してほしいからだろうか。

 

 北環状線は次に西白井駅に停車するが、北総循環線は新鎌ヶ谷駅まで直行だから有利だと考えているのだろうか。あるいは、ちばにうに比べICカードが使え、新鎌ヶ谷駅のバス停が駅の改札に近いから有利だと考えているのだろうか。それとも、白井駅のバス停はバス停確保のために設置しただけで、値上げした北環状線より運賃が30円安い千葉ニュータウン中央地区の乗客をターゲットにしているのだろうか。

 

 さらに考えれば、コロナ禍の消耗戦を避けて事業者間で住み分けでもできているのだろうか。10月の北総線の運賃値下げ後には、奇妙なことに千葉ニュータウン中央駅から新鎌ヶ谷駅までの割引回数券を利用した場合の運賃がちばにうの北環状線の運賃より10円安くなる。割引回数券には利用日もしくは利用時間帯の制限があるが、北総線の運賃の値下げが10月に実施されれば割引回数券利用者には並行バスを利用するメリットが感じられなくなるだろう。北総線の中距離帯の12~14kmの値下げ幅が最も大きい理由は並行バス対策だったりするのかもしれない。

 

 ただ一つ忘れてならないことがある。2路線とも千葉ニュータウン中央地区の居住者のために開設された鉄道並行バスで白井は単なる通過点にすぎず、白井では生活路線ではない。採算上から後出しで白井駅と西白井駅に停車することになっただけだ。コミュニティバスが路線バスの補完という大義名分で後発の路線バスを守るために先発のコミュニティバスの新鎌ヶ谷ルートが廃止されてしまっている。

 

 コミュニティバスには駅以外のたくさんのバス停があり、駅から離れた地区の高齢者や交通弱者の新鎌ヶ谷駅までの足として利用されていた。二つの路線バスは、こうしたバス停の利用者のニーズを奪う形で 成り立っている。

 

 採算や利用状況もしくは財政難からコミュニティバスのルートを縮小せざるを得ないという理由ならわかるが、採算や利用状況を度外視してルート改正で便数を1.5倍に増便するにもかかわらず、利用者の減少が予想され、挙句に運行経費は”極端に”増えなければ構わないという市の施策には呆れるばかりだ。そして、そのことが議会で問題になっていないのが不思議でしょうがない。選挙のためのしがらみしか議員にはないのだろう。