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アクセス特急が青砥でスカイライナーの停車待ち

 

 今月2度目の北総線

 

 先週の土曜日に急に都内に出かけなければならなくなり、北総線に乗車。北総線の利用は今月2回目。コロナ禍以降、都心に出かけることが少なくなり、電車もバスもめったに乗らなくなっている。

 

 バスを利用しなくなったのは、市や事業者に対する不信感からで、最近はもっぱらマイカーか徒歩で移動している。徒歩は運動不足解消のためもある。ガソリン代が高騰しているが、マイカーで遠出はしないのでそれ程の負担になっていない。そのうちにマイカーから公共交通機関へと考えていたが、市の貧弱な事業者本位の交通政策のせいで当分、実現しそうもない。

 

 西白井駅から12時29分の各駅停車に乗った。そのまま、東銀座まで行くつもりだったが、思いつきで隣の新鎌ヶ谷駅でアクセス特急に乗り換えた。車内は、立っている人はほとんどなく、どの座席も座れる程度で乗車率は、コロナ禍の土曜日ということもあって50%くらいだったろうか。

 

 しかし、目的地の東銀座はアクセス特急が停車しないので途中でアクセス特急から各駅停車に乗り換える必要がある。乗り換えアプリは日本橋での乗り換えを提案していたが、ホームでの待ち時間の短い押上で乗り換えた。東銀座の到着時間はどちらの駅で乗り換えても変わらない。

 

 アクセス特急の乗り換えによる時間短縮効果はわずか5分にすぎない。2回乗り換えて5分の短縮だから労多くして功少なしと言える。途中、青砥でスカイライナーの停車待ちに遭遇した。青砥で電車が停車しているとホームの反対側にスカイライナーがゆっくりと入って来て停車した。青砥12時51分の京成上野行きの電車だった。

 

 アクセス特急の窓越しに見たスカイライナーの乗車率は30%程度だっただろうか。インバウンド需要に依存してコロナ禍でスカイライナーがこけたことでスカイライナーが京成本線の単なる超特急にすぎないことが露呈してしまった格好だ。

 

 コロナ禍対策で京成本線からスカイライナーへの乗り換えを増やすために青砥で停車するようにしたり、ノンストップのはずのスカイライナーを北総線の駅から発車する臨時ライナーとして運行したりとなりふり構わない姿に事業者の節操のなさが表れている。成田空港線を京成本線と切り離した単独路線にしないと京成本線の運賃を値上げしなければならなくなるとまで認可時に主張していたのは誰だっただろうか。結局、コロナ禍による赤字の一部を北総線の収益で補っている形だ。

 

 内部補助を否定していたが、コロナ禍でも利益を上げている北総線の収益で京成本線の赤字の一部を穴埋めしているのが実態だ。コロナ禍後の需要回復が厳しいとの判断から他の大手各社は、JRですら値上げを実施しているのだから京成本線の赤字も値上げで埋めるのが筋のように思う。

 

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 北総線を一旦、京成本線に組み込んで値下げして、その上で全体的な値上げを実施したらどうだろうか。北総線のために京成本線の運賃を値上げしなければならないような事実はどこにもない。北総線を値下げできない理由は、現在では京成側の事情しかない。しかし、北総線を値下げする方法ならいくらでも思いつく。京成が北総線の値下げしたくないから鉄道局の庇護を受けて値下げできない理由を創り、値下げを拒んでいるようにしか見えない。10月からの値下げは、値下げに値しない代物だ。

 

 北総線の日中の乗車率を見ているとアクセス特急の運行の必要性がわからない。日中のアクセス特急の運行を減らして北総線の運賃を下げる方が利用者が増え、アクセス特急の運行に伴う収入配分による減収も小さくなることだろう。アクセス特急をなくしても北総線の利用者が減ることはないだろう。アクセス特急の削減で生まれる余裕で北総線内だけの独自特急を走らせればいいだけだ。おそらく、運輸収入は増えることになるだろう。スカイライナーは当初計画通りの運行で自力でJRと競争して収益を稼ぎ出せばいい。

 

 結局、アクセス特急の目的は線路使用料の原資の確保とスカイライナーで取り込めない価格志向の強い利用者を取り込むための対策なのだろう。北総線が京成本線だけでなく、スカイライナーへの内部補助の役割を果たしているように見える。

 

 成田空港線が当初計画どおり京成上野始発のスカイライナーの運行だけなら北総線を通過するだけだから北総線の運賃とは無関係だったはずだ。北総鉄道は線路を貸してスカイライナーの線路使用料を徴収するだけでよかったはずだ。成田空港線は元々、成田空港までの時間短縮が目的だったはずでアクセス特急の運行などは想定されていなかった。にもかかわらず、認可申請で突如、アクセス特急の運行が盛り込まれたのは北総線の高額運賃でスカイライナーの線路使用料を相殺するためだったことは明らかだ。しかし、以前としてスカイライナーが線路使用料を負担していないことに変わりなく、運輸審議会の議事録で鉄道局はその事実を認めている。

 

 北総線は京成にとって利用者が少なくても稼げる生産性の高い?優良路線なのでないだろうか。それを支えているのは北総線が都心を結ぶ千葉ニュータウン唯一の公共交通機関だからだろう。運賃が高すぎても千葉ニュータウン内では他の路線に乗り換えることができない。北総線からの脱北を阻止するためにコミュニティバスを含むバス事業の寡占化状態が続いており、行政がそれを支えている。いやなら、他の地区に住替える以外にない。

 

 都内の様子

 

 帰りに有楽町駅から東京駅までの高架下の飲食店で食事をしようと思い、物色したが、まだ4時過ぎなのにほぼ満席の店が多く、中には席が空くのを待っている店もあった。総じて若い人が多かった。

 

 結局、適当なお店が見つからず、東京駅のガード下まで歩くはめになってしまった。はとバスの停留所を通った時に自衛隊が運営しているワクチン接種会場行きのバスの横を通り過ぎた。バスの中には若い男性が一人しか乗っていなかった。歩道には、受付の女性が手持無沙汰で立っていた。

 

 帰りは、宝町から電車に乗った。ホームで電車を待っている間、ホームドアの工事中を知らせる味気ない録音の男性の音声が繰り返し流れていた。ホームには既にホームドアが設置されていたが、まだ稼働していないようだ。北総線内の駅にホームドアを設置するという情報はない。白井の役にも立たない副駅名入り看板、ガラス張りの待合室、ベンチの取替よりホームドアの設置を行うべきだろう。

 

 北総鉄道(京成)は過去のわずかな運賃値下げでも補助金を要求した会社だから補助金なしの安全対策の工事はあり得ないことだろう。そのわずかな値下げすら補助金が継続されないことを理由にすぐに値上げして運賃を元に戻すような会社だから、北総線内のホームドアの設置には補助金が前提になるだろう。

 

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 駅前の様子

 

 西白井駅を出るときに看板内部の照明で輝く出入口の副駅名入り看板に目が止まったが、振り返って副駅名を眺める人などいるはずもなかった。7時を過ぎた北口のロータリーにはほとんど人影はなく、ロータリーから見える新しいマンションの部屋の灯りはまだ少ない。本格的な入居はこれからなのかもしれない。交番の灯りだけがやけに明るい。

 

 今日、民放のニュース番組で川越駅前のタワーマンションが完売になっていることが紹介されていた。西白井の新しいマンションは駅近で価格も手頃なのにまだ完売となっていないようだ。都内のタワーマンションの価格がバブル時越えしているのは供給戸数減と建設費の高騰によるものと解説されており、節税対策でマンションを買う人がいるようだ。

 

 西白井は、新鎌ヶ谷駅まで車なら10分程度で行け、周辺環境も悪いとは言えない。しかし、北総線は運賃が高いだけでなく、日中の運行本数は3本程度で成田空港線の開業で増えたアクセス特急は白井の駅には停車しないので関係ない。市と北総鉄道の「白井駅・西白井駅周辺地域の活性化に関する協定」も市民の最も関心の高い交通利便性の改善が前提どころか、後退している状況で事業者への配慮だけが先行している。内容も抽象的で絵に描いた餅すぎない。

 

 副駅名入り看板の除幕式とラッピングバスの出発式の写真が市のホームページに掲載されているが、市内で副駅名とラッピングバスを商売に生かそうという動きはない。広報を読まない人は市民でも副駅名とラッピングバスのことなど知らないだろう。市が駅前の賑わいづくりのために何かやっているようにはとても見えない。

 

 北総鉄道の早期の運賃値下げ発表や白井市との連携もマンションの販売を支援するためなのではないだろうかというゲスの勘繰りが働いてしまう。北総鉄道の決算では運輸収入や輸送人員の増加の理由としてマンションの販売に伴う入居者増が定番ネタとして挙げられる。来年の決算発表では運賃値下げと西白井地区のマンションの販売による入居者増が盛り込まれるのではないだろうか。マンションのサイトを見てみたら北総線値下げのリンクが貼られていた。

 

 ロータリーの一番奥のバス停に19時20分発のナッシー号が停車していた。バスが出ていくと入れ替わるように別のナッシー号が入って来た。19時24分発の白井駅北口止まりの最終バスだった。後部の行先表示器の「白井駅北口」の文字が煌々とロータリーの闇の中でひときわ輝いていた。仕事帰りらしい2人の男性が乗車するのが見えた。

 

 なぜか、堺正章の「街の灯り」の歌詞が脳裏に浮かんだ。

 

 そばに誰かいないと

 沈みそうなこの胸…

 街の灯りちらちら…

 

夜の西白井駅前北口ロータリーの様子
夜の西白井駅前北口ロータリーの様子