事例(交通⑥)

赤字だったバス会社が、なぜ埼玉県川越市を「シャッター街」から観光地にできたのか

イーグルバス谷島賢社長インタビュー#1~谷島社長は単に路線の運行状況やダイヤを変えて最適化しただけでなく、乗客や周辺住民が利便性を感じる施策を打っている。その1つが「ハブ&スポーク(拠点)」である。ときがわ町路線において町の中心部にバスセンターを設置し、そこから東西南北に路線を延ばすハブ方式で運行距離が短くなり、運行本数が増えた。また、山間地域は従来より停留所を増やして、小型バスとワゴン車による利用予約式のデマンドバスを走らせた。この結果、輸送量は1.5倍から最大3倍まで増え、利用者数は4割増えた。また、小川町から東秩父村を結ぶ路線では、ハブ&スポークに施設を加える過疎化対策方式を生み出した。

(2018/8/27 文春オンライン)

「ドアを開けっ放し」「売上をピンハネ」ラオスのバス交通を日本の一企業が再建するまで イーグルバス谷島賢社長インタビュー#2~イーグルバスの改善システムには「ハブ&スポーク」という手法がある。これは、ハブとなるバスセンターを設置し、そこから東西南北に路線を延ばす方法だ。効率的に運行ができる。ビエンチャンでも郊外のショッピングモールをハブとしてバスターミナルとバス車庫を作った。モールとしては集客効果が期待できるので、用地を提供し、建物も建設してくれた。City2にとっては費用もかからず、効率的な運行ができ、なおかつショッピング客に喜ばれるのだから一石二鳥どころか、一石三鳥だ。 

(2018/8/27 文春オンライン)

路線バスは「自動運転」「電気バス」「AI」でここまで変わる イーグルバス谷島賢社長インタビュー#3~「「ただしビッグデータやAIを使っても、数字を扱うのは人間であることを忘れてはいけません。人次第で意味の解釈は違ってきます。単に利用者が少ないから無駄と判断はできません。その裏側には交通弱者の高齢者がいて、毎日必要としているかもしれない。主役は人間で、AIが人間を補佐することが重要です」谷島社長は、データに振り回されるなと警告する。業界に先駆けて運行の見える化を進めてきた人物だけに、その言葉には説得力がある。赤字路線バス問題はバス事業会社自らの改善努力が第一であることは間違いないが、それだけでは解決しない。地域と住民(利用者)と行政も一体となって人の移動という観点から町づくりを考えなければならない。

(2018/8/27 文春オンライン)