鉄道業界が混雑緩和策で苦悩する理由、東京の人口増は予想以上~鉄道業界が混雑緩和策で苦悩する理由、東京の人口増は予想以上~例えば、1985年の運輸政策審議会第7号答申では、東京都市圏の拡大と郊外人口の増加がもたらす通勤路線の混雑解消を目的として、JR埼京線、JR京葉線、りんかい線など貨物線の旅客化、東葉高速鉄道、埼玉高速鉄道、北総鉄道、つくばエクスプレスなど新線建設が検討され、都心部では地下鉄南北線や都営大江戸線の整備計画が具体化した。…バブル崩壊は日本経済に深刻な影響を及ぼしたが、一方で地価と金利の下落は都心再開発を促し、ドーナツ化現象から都心回帰へと人々の流れは反転。郊外の開発ペースは落ち、利用者数が予測をはるかに下回ったことで、経営危機に瀕する郊外路線が続出した。こうした状況のもとで検討が進められたのが、2015年を計画目標に据えた2000年の運輸政策審議会第18号答申である。…これまでの鉄道整備計画は郊外から都心へ集中する通勤輸送への対応を重視していたが、これを機に都心一極集中を改め、副都心や周辺核都市への都市機能分散を進めるべく、拠点間のネットワーク強化へと舵を切った。これにより湘南新宿ラインや上野東京ライン、東急東横線の地下鉄副都心線乗り入れなど直通運転の拡大や、ICカード乗車券の普及、バリアフリー設備の整備推進など鉄道サービスの質的向上が進められた。ところが、ふたを開けてみると2000年代に入って都心回帰はさらに加速する。東京都心の人口は急激に増加し、鉄道の利用者数もあわせて増加、2005年以降混雑率は上昇傾向に転じている。この思わぬ鉄道利用者増にどう対応するのか。実は、国の方針はまだ出ていない。…いずれにしても、手をこまねいていれば、現状の通勤難は、あと20~30年は続くだろう。東京の鉄道計画は今、非常に悩ましい状況となっている。(2018/8/27 ダイヤモンド・オンライン)
栃木県内全路線 70歳以上バス乗り放題 関東・東野・ジェイアールが共通定期券~「おでさぽ70」は高齢化が進む中、高齢者の外出を支援し、免許証返納を含め自家用車から路線バスへの利用転換を促すことで、路線バスネットワークの維持や客の利便性向上を図るのが狙い。…定期券の購入時点で70歳以上が対象。顔写真付きのマイナンバーカード(個人番号カード)、運転免許証、健康保険証のいずれかの提示が必要となる。定期代は1カ月が6千円、3カ月は1万5千円。…定期券の有効期間中は、日光市の東武バスや路線のない野木町などを除き、県内のほぼ全域で3社の全路線バス約200系統が自由に乗り降りできる。1日当たりに換算すると、料金は200円以下となる。…経営面から路線バスを見た場合、利用人員が多くても少なくても運行コストは変わらず、利用人員が少しでも増えれば、その分だけ収益改善に反映される。県内の70歳以上の高齢者数は約37万人。県人口の約19%を占めており、高齢者の利用が少しでも増えれば、路線バスネットワークの維持強化につながるという。
(2018/8/31 下野新聞)
長崎 65歳以上路線バス乗り放題 定期券を本格運用~長崎県交通局(県営バス)と県央バスは、65歳以上を対象に、路線バスが定額で乗り放題になるフリー定期券「プラチナパス65」の本格運用を今月から始める。昨年11月からの試行が好評なためで、一般路線バスが全路線で乗り放題となるパスと、エリア内で乗り放題になるパスの2種類を販売する。…本格運用は17日からで、全線フリーは、1カ月6000円▽3カ月1万5300円▽6カ月2万7800円。長崎、諫早、大村の三つの各エリアに限定したフリーは、1カ月5000円▽3カ月1万3800円▽6カ月2万4800円--で販売する。
(2018/9/3 毎日新聞)