事例(社会問題⑥)

人口の半分が独身に!2035年にやってくる「超ソロ社会」とは?~国立社会保障・人口問題研究所が2012年に出した配偶関係別人口推計によれば、35年には15歳以上全人口の5割が独身者となる。しかも、高齢者人口約3740万人に対して独身者は約4800万人と、高齢者より独身者の人口のほうが上回ることになるのだ。つまり、日本は超高齢国家である以上に、独身者がマジョリティーとなる「超ソロ国家」になってしまうのである。…かつて標準世帯と言われた「夫婦と子」世帯だが、もはや単身世帯にその数は抜かれている。同じ屋根の下に親子が「群」となって暮らす家族の姿は、もはや風前の灯となりつつあるのだ。これは、日本だけの話ではない。先進諸国の中では世界的な傾向だ。社会構造そのものが個人化の方向にシフトしているのである。…しかし、家族だけが最後のセーフティーネットという考えに縛られると危険だ。育児や介護のための離職を「家族ならば当然」という規範は、長期的には本人の経済的破綻を招き、京都認知症母殺害心中未遂事件などのような家族同士の共倒れになる悲劇的結末も現実に発生している。

(2018/1/15  AERA dot.)

 

年金財政は破綻しないが給付水準は下がる 毎年「仙台市」が消えていく~今後、さらに大きな懸念は、非正規雇用が増え、年金保険料を納めてこなかった人たちが増えることだ。最も大変なのは高齢者人口がピークに達する42年。この時期に高齢者になる人たちは、意欲も能力もあったにもかかわらず、就職氷河期で働きたくとも働けなかった世代。社会に翻弄されたような人たちが高齢者になるとき、その世代をどう支えていくべきなのか。74歳以下の人たちを“若者”として労働参加を促していく取り組みも必要となるだろう。

(2018/5/4 プレジデントオンライン)

空き家地獄の時代「もうタワマンは法律で禁止すべきである」~まず、タワマンは普通の板状型に比べて住戸の造りがスカスカである。外壁は軽量気泡を用いたALCパネル、住戸間にはコンクリートの入っていない乾式壁が使われている。鉄筋コンクリートは建物を支えるために太く造られた柱と床(天井)にしか用いられていない。だから隣戸の生活音が聞こえやすい。あるいは外壁と躯体の隙間から雨漏りが生じやすい。いってみれば、タワーマンションは柱こそ太いが、その他は軽量な材料で作られた簡易住宅といってもいい建造物なのだ。さらに、タワーマンションの歴史は実質的にまだ20年程度。2回目の大規模修繕を終えた物件はほとんどない。エレベーターや配管類の交換を行うべき築30年前後の第2回大規模修繕について、我々は未だにノウハウを持っていない。それを考えると、タワーマンションという住宅建造物は、まだ完成品とは言い難い。私から見れば、かなり危うい住形態でもある。…日本はひとまずタワーマンションの新たな建築を禁止すべきではないか。これは極端な主張のように思えるかもしれないが、世界の基準からすると正論に近い。ヨーロッパの多くの国では20階どころか、10数階の高層住宅さえも法律で規制しているケースが多い。特に高層住宅での子育てを禁止している国もある。冷静に考えれば、今の日本でタワーマンションを新たに建造する理由はほとんどない。あるとすれば、それを開発するデベロッパーが儲かるからである。あるいは、タワーマンションができるとその建物と住む人から税金が取れると目論む、一部の地方行政機関の思惑である。

2019/02/12 NEWSポストセブン